第4回あたらしい創作絵本大賞に、たくさん作品をおおくりいただき誠にありがとうございました。

応募者に審査会のため、原画郵送をお願いをしていたところ、

「今年は、下読み結果のブログ掲載はされないのですか…」と

お問い合わせをいただきました。

楽しみにしていただいているんですね^_^;。はげみになります!

 

遅くなりましたが、下読み感想を掲載します。

なお、原画郵送をお願いしていなくても、審査員には作品をみていただいています。

PCで原画を作成しているとわかる作品や

コピーで原画のよさがわかる作品に関しては、原画の郵送を依頼していません。

 

今年の応募作品の傾向

昨年、絵本業界でブームになった「こわいおはなし」をテーマにし、

「おばけ」や「幽霊」「おに」などが登場する作品が多かったように思います。

また、若い世代の方からは、「いじめ」をテーマにした作品がよせられました。

ユニークなナンセンス作品もあり、審査会で個性の強さが吉とでるか凶とでるか。

 

過去に、プロとしてマンガを書いていたのだと感じられる作品も、いくつかありました。

絵のセンスや色使いなどは慣れていて、よいのですが、

主人公の進む方向が、ページをめくる方向と逆向きになっているので読みにくかったです。

マンガ表現のままなんです。

もう少し、絵本について勉強してから、作品を仕上げてほしいなと思います。

 

日記・エッセイ的な作品も多くありました。

作品を総合的に判断するコンテストには、日記やエッセイ的な作品を応募していただくのは

少し、不向きだと思います。

連続した絵が物語になっていて、読み物として成立している作品をお待ちしています。

 

○総合的にまとまっている作品

「じごくの ごちそう」

「ハロ・ハロ・ハロウィン」

 

○個性的な作品

「なぜか、ちくわは、得意げです」

「3・2・1…BAKU」

「いつまでだっておきてるこ」

「みんなのうんタイすべカッショ」

「なかよしかぞく」

 

○物語展開がまとまっている作品

「リリちゃんのミシン」

「ぴぴちゃん」

「ポロロンとジャジャー」

「魚のあじくん」

 

○絵がすてき

「こびとのカービー」

「もしもわたしがかみさまだったら」

「きんちゃんのバッチ」

「ピーターとホシのハナ」

「ことだまと ぼくのたんじょうび」

 

総合的にまとまっていると感じた

「じごくの ごちそう」、「ハロ・ハロ・ハロウィン」2作品は、

絵と文章を書く係をわけて創作されている作品です。

それぞれの得意分野を生かして、創作されているので、

とても、まとまった作品になっています。

まとまりがよいと感じる作品、

審査員には「パンチがたりない」と受け取られることもありますね…。

 

個性的な作品

「なぜか、ちくわは、得意げです」、「3・2・1…BAKU」、「いつまでだっておきてるこ」は、

タイトルで、工夫をこらしていて、「これ何?」と思いながら読んでいると

「笑いがこみあげてくる」作品。

「みんなのうんタイすべカッショ」も、意味不明なタイトルがついているのですが、

最後のページを読んだときに、「だからあのタイトルなのね」と驚かされます。

「なかよしかぞく」は、ありそうなお話なのですが、人間のある部分を

体にみたてて、キャラクターにしていたのはユニークでした。

 

物語展開がまとまっている作品

「魚のあじくん」は、いじめをテーマにした作品。作品にたずさわった人の人数が多かったのに驚きました。

ことばのセレクトをうまくしていくと、もっとよくなりそうです。文章がながくて、一息でよめないのでね。

「リリちゃんのミシン」、「ぴぴちゃん」は、女の子がすきなタイプの物語でかわいい。

「ポロロンとジャジャー」は、男の子が大好きな冒険物語でおもしろかった。

 

絵がすてきな作品

「こびとのカービー」は、絵の書き込みがよかったです。構図が、逆向きになっていたので残念。

主人公の進行方向と、ページをめくる関係をもっと考えて描いて欲しいですね。

「もしもわたしがかみさまだったら」色のバランスがすてきです。

「きんちゃんのバッチ」ラフなタッチなのですが、構図もよく考えられていて、ユニークです。

「ピーターとホシのハナ」絵は、きれいに描けているのですが、構図がわかりにくいのが残念。

「ことだまと ぼくのたんじょうび」絵のタッチに好感がもてます。ことばの使い方がもったいない感じ。

 

さて、最終の審査会は、2月中旬に行います。

2月下旬頃には、結果発表いたしますので、お楽しみに。

ホームページでの公開は、3月上旬頃になります。

 

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