楠章子先生の新刊案内です。

『スタート』作 楠章子 絵 みなはむ (あかね書房)

母親にたよられ、祖母の介護の世話をするシイ
古いアパートで母と暮らしはじめるイチ
トランスジェンダーでいじめられているサン
アルコール依存症の父親に悩むムギ
おさななじみの苦しみを見て見ぬふりをしてしまったことをくやむナナ

悩みを抱えて居場所のない子どもたちの前に「猫男」があらわれる。

 

6章からなる連作短編ですが
どこかでゆるくつながっている世界。

キラキラした夢物語ではなく
子どもたちのおかれている
苦しいできごとをリアルに伝えている。

「猫男」という異質なキャラクターが
悩みをかかえる子どもの居場所になっているのは
いっときの逃げ場所としてはよくても、
本当は、いいわけではないはず……。

 

子どもが、自らの苦しみ・悩みを素直に伝えることは簡単ではない。

この作品を読んで
同じ悩みを持つ子どもたちには、
「しんどい、苦しいって、まわりに伝えていいんだ」
と気づいてほしい。

そして、大人たちも、
勇気ある子どもの言葉に
寄り添って欲しい。

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