絵本教室 ふかめ〜るクラス2回目

絵本基礎では『あさになったのでまどをあけますよ』荒井良二(著・イラスト)の

絵本分析。

白熱した議論がとびかいました。

 

実験的だったり、賞にえらばれるような作品は、賛否がわかれるもの。

よいか、わるいか、感想が言えないような中途半端な作品よりは、

「嫌い」と言われる作品の方が、ロングセラーになることもあるのです。

数学とは違って、ひとつの正解がないのが、芸術や文学の世界。

だからこそ、いろいろな解釈が(「わかりにくい」とは意味が違いますよ)できる

作品に出会えて楽しいと思えますね。

 

絵本創作では、書いてきたデッサンについての感想と

課題の「飛び出し童話」「思い出童話」の書き方について。

 

物語作品というのは、「作者の目を通して、世界がどうみえているのか」が

読者が面白く感じるところ。

そして、

作者の体験と読み手の体験がうまく重なったとき、

「おおきな感動」が生まれることがあるのです。

それを、経験してもらうために「飛び出し童話」や「思い出童話」を

書いてもらうことにしています。

作者自身の体験や経験に基づいていない物語もあるので、

この書き方が全てではありません。

ひとつの、物語の書き方の例として、チャレンジしてもらっています。

 

みてみて実践クラスでは、作品の合評。

たくさん作品を持ってきている受講生もいました。

このクラスでも、議論は白熱。

ひとついえることは、絵本の読者は、「子ども」であること。

大人の私が読んでも理解できないこと、解説を求めなければならないことは、

子どもが読んでも、わからない内容なんです。

 

作者が思い入れたっぷりにつくった設定であっても、

展開が不自然だったり、意味不明な設定であれば、

読者にわかりやすくなるように、

修正したり改善したり、考えなおさなければならなくなります。

思い入れがあると、どうしても書き直すことに、抵抗があるように感じました。

 

人からのアドバイスを自分なりに咀嚼し、

新しい表現にかえることができるかできないか。

書き直しができるかできないか。

うまくできる人は、プロになれるのですよね。

私がアドバイスすることが、100%正しいわけではないです。

さまざまな意見があるので、私のアドバイス通りにしなくてもいいです。

作者が「このままの作品がいいんだ」と思えば、そのまま書きすすめればよいのです。

 

でも、「読者に伝える」ということに逃げずに、

真正面から取り組んでもらいたいなと思います。

 

作者の思い入れは、大切だけど、

「読者にこの表現で伝わるのだろうか」という

自問自答は、常にしておいてください。

 

絵画の世界だと、共感が得られず、

自分の思い入れだけで書いてもゆるしてもらえるのかもしれません。

そこは、絵本と絵画との違いだからね。

 

 

 

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