今年の前期の絵本教室基礎クラスの鈴木先生担当クラスが終了しました。

今期、はじめて、絵本を読んで自分で研究して創作につなげてもらうというクラスを行いました。

昨年の絵本コンテストでは、
絵はそんなにうまくないけど
絵本の楽しさや見せ方がわかってつくっている人の作品が
佳作入賞となりました。
選んでみて、びっくりしたのは、そういった方々は
たいてい、大学の児童文学系や保育系の絵本研究のゼミに
所属していたことがあるというのがわかったことでした。

効果的にどうしたら絵本が楽しく読めるかを
追求して描いている人の作品はおもしろい。
どういった作品が読んでいて楽しくなるのか
構図や視点を考え研究している人の作品は楽しい。

絵がうまいだけの人の作品は、
絵本をちゃんと自分の中で理解せず、
表面的に作品を読んでいるからではないかと思ったのです。
「絵本ってこんなもの」という自分のイメージの世界に
とどまってしまっているのでしょうね。

私が学生だったころ、
児童文学の創作がやりたくて入学したのに
1〜2年生の間は、ずっと作品研究ばかりの授業でした。
本を読んで、レポートを書いて提出して
その繰り返しです。

「なぜ、1年生から創作ができないのか?」
と先生方に訴えたこともあります。
(今は、1年生から創作ができるみたいですが)

実は、その結果は3年生になったときに現れました。
3年生の創作ゼミにはいったときも、
創作をしていても、作品が書きやすいのです。
人の作品をとことん研究し、分析し、作家の足りないと思う部分を埋めるような作品を自分が書く力が自然とついているのです。

「わたしだったら、絶対にこうするのに」という気持ちがついていて、それが創作への原動力につながっていたのです。

創作者でありながら、作品研究をおろそかにする人の作品は、面白くないのです。

ただ、注意して欲しいのは、表面的に作品を読んでいるだけでは、
作品研究とはいえません。分析する能力が必要です。

分析能力と絵本の構図や視点・効果を学んでもらうために
基礎クラスはあります。

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