なんと、最初と終わりがループのように、
同じような場面で終わっているのです。
第1巻では、子どもだったの主人公のフキは、
最終の10巻では、80歳になっているけど健在です。
第1巻は、フキが大雨の被害にあい、北海道に渡る出来事が物語の始まりです。
それから、何十年も経て、北海道でまた、大水害の被害にあいます。
フキが、水害から避難した場面で、物語は終わっているのです!
最初に読んだときは、子どもすぎて、この終わり方の意味が深く理解できていなかった。
だから、印象にのこっていなかったんです。
さまざまな、災害に遭遇し、そして、歳をかさね、人生経験を多少、つんできて、
今、本当にこの物語の結末の意味がわかってきました。
本当に、児童文学にしておくのには、もったいない作品です。
いや、子どもに媚びない姿勢こそが、児童文学の王道なんやね。
私が苦しい時期に、先生が、自著に
「やまない雨はない」と書いて手渡してくれましたのを思い出しました。