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ゆうたとおつきみ(くもん出版)
楠 章子・作 / 宮尾和孝・絵
物語創作クラスの講師をお願いしている楠章子さんの幼年童話の新刊がでたので、
早速読んでみました。
この作品、昨年、毎日新聞で連載していた「つきよ、ぎく」を書き直した作品です。
「えええ〜、こんなに書き直しをしてるんだ」と思うほど。
書いているテーマは同じですが、
主人公も違っているし、プロットの順番もかわっている。
いやいや、おどろいた。
楠さんに、とあるお仕事で原作を依頼したときも、
「うーん、まわりくどい解説をいれなきゃいけないんだったら、
いっそ、設定を変えますか?」と言って、
設定を変更し、間に入っている私の方が
「そんなにスッパリかえてしまってもいいんかいな?」と心配したぐらい。
テーマや書きたいことさえ、ぶれなければ、
設定を変えて読者にわかりやすくすることは、
作家にとっては当たり前のことなんですよね。
『ゆうたとおつきみ』のあらすじ
おつきみの日、主人公ゆうたは、おばあちゃんに菊の花を用意したくて
はじめてのおつかいに出かけます。
ゆうたの優しさと家族の優しさにつつまれる作品です。
子どもの頃に大切にしていた宝物や
仲良くしていた友だちをふと思い出しました。
え、おばあちゃんの誕生日って、私の誕生日と一緒だわ、はははは〜。
あまん きみこさんの作品にも 「うた」がよく登場してきて
場面を明るくしてくれるのですが、
この作品にも、ゆうたがうたう「うた」や「おまじない」が登場してきて
リズム感のある物語展開となっています。
お月見とともに、この作品を読むと気持ちがやわらかくなりますよ。