オンデマンドの少部数印刷をご注文される場合、
ご自宅のスキャナーで原画を読み取って入稿されるケースが
あると思います。
使われている画材によっては、
うまく、原画が読み取れないことがあります。
○スキャナーの読み取り方式の種類
スキャナーには、読み取り方式で2種類のタイプがあります。
CIS方式…複合機プリンターについているスキャナー。スキャナーの部分が軽くて良い。画用紙が波打っていると、ピントが甘くなることも。
CCD方式…スキャナー単体で売られているスキャナーに採用されている。重いが、凹凸のある画用紙でもピントが合いやすい。
画材をアクリル絵の具など、はっきりした色のものを使われている場合は、
複合機プリンターCIS方式のスキャナーでもそこそこキレイに読み取れます。
パステルや色えんぴつなど、画用紙の凹凸を利用して、濃淡を表現する画材の場合は、
薄い色の部分が読み取りは、CCD方式の方が細部まで読み取れます。
CIS方式だと、淡い色の部分が、白くなってしまうことも。
家庭用のプリンターやスキャナーは、A4サイズまでしか読み取れないことが多いので、
大判になると原画をデジタルで合成する手間が必要となります。
○ビジネス複合機
A3サイズまでスキャニングできる、
インクジェットビジネス複合機が販売されています。
大判のコピーもできるので、便利です。たいてい、CIS方式が多いように思います。
モノクロ原画であれば、大丈夫なのですが、
ビジネス複合機のカラースキャニングは、A4複合機に比べると原画の読み取り画質が悪く、
印刷するには、少々、厳しいレベルです。
○プロスキャナー
当店では、ドラムスキャナーを利用しています。
まるい筒状に原画をはり、あらゆる方向から光をあてて読み取るので、
原画に影ができにくく、どんな画材でも色が鮮明に読み取れます。
(ベニヤ板やイラストボードに書かれると、原画を筒状にできないので利用できません)
ただ、A3サイズで3000円/1枚 と値段も高く、
原画の色合わせ費用を含めると、5500〜6000円/1枚ほどの費用がかかります。
オフセット印刷であれば、これぐらいの費用を出してもよいですが、
少部数(オンデマンド印刷)だと、印刷代よりも、制作費の方が高くなります。
○コンビニスキャナー
コンビニのコピー機で、1枚30円でA3サイズまでスキャニングができるようになりました。
画像データを保存するUSBを持って行く必要があります。
かなりキレイにスキャニングできます。
いろいろな画材をつかって、スキャニングしてみました。
セブン・イレブン
ローソン
お店のメンテナンスの状況や機械の入れ替えの時期、
使われている頻度によって、機械の状態がかわってくるので
全てのお店に共通していることではないかもしれないですが、
セブンの機械は、濃淡がはっきりと出てくる印象。
パステルを使うのであれば、ローソンの方が、
薄い部分まで読み取れるようです。
上記の原画をスマートフォンで撮影
スマートフォンで撮影すると(機種にもよりますが)全体が、赤っぽくなるので、画像色修正が必要になります。
一番、気をつけて欲しいのは、
スキャニングしたデータと原画の色は同じではないということです。
大きな差はないかもしれませんが、緑が赤っぽくなったり、暗い色になったり、
濃淡や、青や赤が強くなったり弱くなったり、
同じ色で読み取れないことの方が多いので、画像データの色修正作業は必須です。
なるべくなら、原画を作成した担当者が
色を調整しながら確認していくのがよいのですが、
それが難しい場合は、色合わせの担当者にお願いします。
これもまた、別に費用がかかってきます。