『お母さんは、だいじょうぶ 認知症と母と私の20年』文 楠 章子/まんが ながおか えつこ(毎日新聞出版)
見本をいただいて、さっそく読みました。

4コマ・マンガが、書かれていますが、児童書ではありません。

認知症のお母さんと家族にまつわる、おとな向けのエッセイ集です。
介護・認知症というと、重いテーマになりがちなのですが、
マンガがあることで、ユーモアがあり、とても読みやすい。

介護や病人がいる生活というのは、
いつ、何が起こるかわからない状態です。
普通をこころがけていても、
気がつかないあいだに、
目に見えない緊張感が、溜まってしまうんですよね。

介護をどうしていくのかは、100人いれば100パターンの方法があり、
それぞれが、少ない情報や時間のなかで、模索していかなければ
ならないのが、悩みどころ。

プロの手にお願いするにも、相手も人間なので、
相性もあり、うまくいかないこともある。

そんなこんなの、悩みも、共有できる人たちがいると安心できたり、
自分を追い込まないあれこれも、書かれています。

ちょうど、ナッパさん(楠さんのお父さん)が、入院している時期と
私の母が入院している時期が同時期で、
「明日、私、仕事にいけるのかな?」
「母の病状のことじゃなく、
仕事に行くことを考える私は、親不孝なのか」
と自問自答する毎日だったのを思い出しました。

そんなとき、
「仕事が一番優先だよ。でも、何かあったら仕事をかわるからね」と、楠さんに言われたことで、気持ちが、軽くなりました。

きっと、この本を読む人は、私と同じ気持ちになれるはず。

翌日に目が腫れたらいやだから、夜に読むのはやめようと思っていたのに、
夜に読んでしまって、「あとがきにかえて」を読んだら、
やっぱり泣けてきた。
そして、この文章を書いてたら、また、泣けてきた。

介護に悩む、みなさんに読んでもらいたい一冊です。

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