『いちごゆ』作・絵 雨宮尚子 (PHP研究所)

いちごが いちばんと かんがえる おうさまのために、
はかせは「いちごゆ」という せんとうを つくって、
くだものたちを
ほろぼそうと たくらみます。
ところが……?

 

「いちごゆ」という、あまくてかわいいネーミング
絵のかわいらしさとは
うらはらに、
かなりダークサイドな物語のスタートです。

自国一番主義の「いちごの王様」が
なんとなく、あの人やあの人にみえてくる。

「絵本は時代と社会をうつす鏡です」と教わったのは
大学生時代、三宅興子先生の絵本概論のクラス。
当時は、意味が深く理解できていなかった。
大人になり
ロングセラー絵本を読み返してみると
あの本もこの本も
当時の時代・社会問題が作品に反映されている。

『いちごゆ』も、今の時代を反映した作品。
自国が一番になるために、他国を滅ぼすのがいいのか?
かわいい絵の裏にある、作者のメッセージが伝わります。

「いちごゆ」のインテリアの
書込みの細かさもステキ。
厳しい顔をしていた王様やけらいたちの
「せんとうに」入った後の表情の変化もよいです。

他者を蹴落とすことで、一番になることがいいのかどうか
読者に考えてもらえる作品です。

ああ〜「いちごゆ」に入ってみたい!

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