夢見の占い師
楠 章子・作 トミイマサコ・絵(あかね書房)
童話教室と絵本教室の講師 楠 章子先生の新刊です。
『まぼろしの薬売り』の続編になりますが、
前作を読んでいなくても楽しめる内容ですよ。
明治時代、日本中を旅しながら、
医者も薬屋もない村に、薬をとどける時雨(しぐれ)と
弟子の小雨(こさめ)。
民間信仰的なものがでてきたり、
病のため、村にもどれない子どもたちがいたり、
これは、明治時代の昔話ではなく
現代にも繋がる話しだなと。
テーマとしては、重苦しいのですが、
弟子・小雨の存在に、心癒されます。
人が病を治すきっかけというのは、
医療や薬だけではなく、
患者によりそう人や生きる目標というものも
大きな存在です。
限りある命の存在を感じるために、
この本を、若い読者に読んでもらいたいです。