まぼろしの薬売り(あかね書房)
明治時代、医者がいない山奥や海辺の村や町へ、薬をとどけるために旅をする
薬売りの時雨(しぐれ)と、おともの小雨(こさめ)。
時雨は、旅役者と間違われるほどの、イケメン。
おともの小雨は、時雨を師匠としたう、元気な小僧。
この二人が、行く先々で遭遇する、人々の悩みと不思議な病。
あるときは、けもののようにかわってしまう娘。
はやり病から生き残った村で、ねらわれるもの。
まぼろしの動物は、みつかるのか。
そして、時雨の秘密。
時雨のかくされた秘密を読んだとき、
「えええ〜、そうなんですか!」と、おどろき。
急いで、本を読み返し、
「あ〜、まんまと著者の伏線にひっかかった〜」と、
児童書を読んで、ミステリー小説を読んでいるような感覚になりました。
丁寧に、いくつもの伏線がはりめぐらされ、
それが、解決したときの読後感の気持ちよさを
子どもたちに知ってもらえる作品だと思います。
本来なら、かなりデリケートで、書くのはためらわれるような内容についても
ふれられていて、
それでいて、説教くさくもなく、ほどよくスリリングで、いい作品にしあがっています。
時雨の師匠との関係も気になるし、まだまだ、続編が書けそうなお話なので、
続編がでるのかどうか気になる作品だわ〜。