「あの日、ブルームーンに。」宮下恵茉・著
あの日、ブルームーンに。 (teens’ best selections)
大人になるって、こんなに苦しくて切ないものなのか。
初恋の気持ちをどどど・・・と思い起こさせてくれる作品でした。
リアル中学生には、共感できる部分がたくさんあるのではないでしょうか。
主人公・望月結愛は、中学校になじめず、クラスでういている優等生。
早く、高校受験がおわればいいのにと思っている。
ふとしたことがきっかけで、髪を金髪にそめている蒼井瞬と話をするようになる・・・。
気がついたら、涙をながしながら読んでいました。
15歳の正義感とそれが通用しない大人の世界。
大人の矛盾も理不尽も、消化していかなくちゃいけない年齢にさしかかり、
ほんとうにもどかしくて苦しい。
主人公がどういった街にくらしているのかは、特定されていないのですが
「あずきいろの電車」、「エレベーター試験塔」、「河川敷」などの
キーワードを読み解くと、だいたい「あ〜、あのあたりなんだ」と想像できます。
私の祖父母が、この物語の舞台となっている地域の近くに住んでいたこともあり、
思い出深い風景です。
そして、登場人物のネーミングもうまいのです。
ブルームーンに願いをかける主人公は、望月 結愛。
結愛といっしょに願う少年は蒼井くん。
そして、 結愛と仲良くなる林田さんのあだ名が「リンリン」。
私の同級生の林田さんのあだ名も「リンリン」でしたわ・・・。
中学生の女子みなさん。ぜひ、この作品を読んでみて!